BPQC

20 JUN 2018

BPQC暮らしの中にある、私のスタンダード

ほがらかな笑顔が印象的なモデルの香菜子さん。イラストレーター、ブランドのデザイナーとしても活躍する
彼女の仕事の楽しみ方、暮らしの中で大切にしていることなどを、娘・はわかさんとの会話を交えながら教えてもらった。

PHOTOGRAPHS:AKIKO BABA
TEXT:MARIKO URAMOTO

できないことに線を引かずに、
自分の可能性を広げていく。

 「身長はほぼ同じ。服の貸し借りもたまにするかな」と微笑みあう、香菜子さん、はわかさん親子。ともにモデルとして活動する二人は、先輩・後輩の間柄でもあり、楽しそうにおしゃべりをする様子は姉妹のようにも見える。香菜子さんが、はわかさんを授かったのは23歳のとき。ちょうどその頃に引っ越してきたのが、現在の住まいである築35年のマンションだ。家族が集まるリビングはニュアンスのある白い壁にL字型の大きな窓が印象的。そこに、香菜子さんの友人の家具職人が手がけたという木製のテレビボードやキャビネット、北欧やアメリカのヴィンテージ家具などをミックス。シンプルでありながら、温もりも感じる心地の良い空間だ。ここでは窓から見える庭も自慢の一つ。「もともと生えていた木々に加えて、枕木を敷いたり、植栽したりして、ちょっとずつ我が家らしい庭になりました。植物の手入れは虫との格闘もあるし、地道な作業ですが、無心になってできるので好きです」と香菜子さん。庭で育ったオリーブやユーカリの枝葉を束ねて、スワッグやリースにするなどアレンジする楽しみもあるという。

小さい頃からものづくりが好きだった香菜子さんは美大出身。大学に通いながらモデル活動を始めたという。その後、出産を機に仕事を辞め、専業主婦に。それからしばらく経ち、一つの転機が訪れた。第二子を出産したあと、友人であり、レストラン〈LIFE〉のオーナーシェフ・相場正一郎さんから、絵を描く仕事を依頼されたのだ。「レシピ本を作るので、挿絵を描いてほしいと。私、美大に通ってはいましたが、陶芸科だったので、そんなに描けなくて(笑)。でも、せっかくだし、なんとか応えたいなと思って」。そうして生まれたのは、フルーツをモチーフにした、柔らかな線に優しい色使いのイラストで、香菜子さんの人柄がそのままにじみでたような作品。それを機に徐々に絵の仕事が舞い込むようになった。さらに、ハンドメイドの子供服やソイキャンドルなどの雑貨ブランド〈ロタ プロダクト〉もスタート。相場さんから誘いを受けて、彼の店で販売をする機会を得た。イラストの仕事と並行して、〈ロタ プロダクト〉も販路を徐々に拡大し、デザイナー、イラストレーターとして仕事をこなす日々。

そんな矢先、また一つ、運命的なできごとがあった。偶然、編集者からスカウトされ、十数年ぶりにモデルとして雑誌にカムバックすることになったのだ。さらには、誌面で紹介する私服コーディネートに人気が集まり、スタイルブックを出版するまでに。「ファッションは昔からブランドにはこだわらない派。値段が高いからいいということはないと思っていて、体型や雰囲気に合っているかどうかが大事」と香菜子さん。だからこそ、サイズや素材は重視。以前から愛用している〈BPQC〉の服もそういうところが気に入っていて、「きちんとして見えるのに、さりげなくゴムが入っていたり、ストレッチの効いた素材だったりして、ほどよく体にフィットする感じが好きですね。ロングのワンピースはとても楽なのに、スタイルをすっきり見せてくれる優秀なシルエット。サボって見えないところもいいんです」。年齢を問わず着られるところもポイントで、はわかさんと色違いのTシャツで揃えたコーディネートも。「同じアイテムでも、合わせる服が違うので参考になります。娘はデニムにあわせてシンプルに、私はリネンのパンツを合わせてカジュアルに。いろんなコーディネートを楽しめるアイテムですね」

一方、高校卒業後、本格的にモデル活動をスタートした、はわかさんは「仕事が軌道にのって、お金が貯まったら一人暮らしをするのが夢。この家が大好きなので、暮らすなら近くがいいなと思っているんです。母の手料理をすぐに食べにこられるし」と笑う。「でも、手の込んだものはしないんですよ」とは香菜子さん。もともと料理は好きだったが、料理家の竹花いち子さんの教室に通ったことでさらに好きになった。「先生は、和食にナンプラーを入れたり、グラタンに味噌を使ったりして、常識にとらわれていないんです。材料もほとんど目分量。料理ってこんなに自由でいいんだと知りました」。そのセオリーを取り入れてからは、キッチンに立つ時間がより楽しくなった。家族とごはんを食べながら、今日あった出来事を話す。そんなひとときが大切な時間だという。

さまざまなジャンルで活躍する香菜子さんだが、「もともと引っ込み思案な性格」と意外な言葉。「モデルもイラストの仕事も、人から声をかけてもらってスタートしました。最初はいつも“私にできるのだろうか”という不安の方が大きい。“自信がないから”と断ればそれまでですが、できるかぎり理想に近い形で応えたいと思うタイプ。“できない”と諦めずに、できるように寄せていく。すると、少しずつ自分のことがわかってきて自信がつく。今は、これまでやってきたことがだんだんつながってきて、おもしろいなと思います」。頼まれたことはまず、やってみる。心を開いていれば、自分の可能性も広がっていく。「〈ロタ プロダクト〉を始めて10年経ちますが、実はこれを機にいったんブランドはお休みして、新しいプロダクトブランドを立ち上げる準備をしています」と香菜子さん。挑戦したいことはたくさんある。母は新たな事業を、娘はモデルとしてのキャリアを。お互いの活動を応援しあう二人は、同志のようにも見えた。

香菜子 モデル、イラストレーター、デザイナー

モデル、イラストレーター、デザイナーとして活動。『香菜子さんの服えらび。』(ナチュリラ別冊)など著書多数。今年秋には新ブランドを発表予定。
着用アイテム
ウエストベルトロングドレス
コンパクトコットン タックスリーブプルオーバー

はわか モデル

中学生の頃に〈資生堂 BENEFIQUE〉の広告で親子共演を果たし、モデルデビュー。ファッションブランドの広告などで活躍中。
着用アイテム
コンパクトコットン タックスリーブプルオーバー
ウォッシャブル ウエストゴムワイドパンツ

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